20.きらい


  旅好きの私にも、実は、だいっ嫌いな土地がある。その土地の方には申し訳ないので、言わないが、その理由もとてもじゃないけれど言えない。

  新幹線の通るまちなのだが、見たくもないし、聞きたくもない。新幹線に乗っていて、その駅に近づく前に眠りについている。でも、私は車内のアナウンスですぐに目が覚めてしまうほうなので、結局起きてしまう。だから、あえて寝たふりをするのだ。目を開けてしまっては、見たくもない光景が広がっているし・・・。考えるだけでも、いやだ。その土地の名さえ聞くのがいやだから、相当なものだと分かっていただけるだろう。ちなみに、その土地に降りたことがある。用事で仕方ないから、しぶしぶ降り立った。もう、体中鳥肌が立ちそうだった。涙が出そうだった。早く立ち去りたいと思った。当分、この土地に降りることはないだろうな。

  それから、きらいな場所もある。行ったことはないから、別に平気なんだけれど、名前を聞くたびにいやなことを思い出す。行ってみたい気もするけれど、やっぱりやめておこう。

  きらいなんて、いってられないんだけれど。

  

 

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